前回からの続きです。
地方の会社に行ってその後どうなったか(キャリア面)
予想通り、高齢化し中堅が不足する会社に、20代半ばにして、会社の最年少で入社しました(笑)。
会社に英語ができる人材が少ないため、海外の会社との面談で相手が上席や役員でも駆り出され、20代の自分が出席しプレゼンし応対する機会にも恵まれました。
その結果、英語でも丁々発止のやりとりで議論することも問題なくできるようになりました。
新規事業立ち上げも経験しました。
また人材不足の機に、3年でアシスタントマネージャとなり、5年でマネージャとなりました。
今の年収は、東京時代の約2倍になりました(外資は成功報酬が大きく基本給は低めでした)。
外国人の部下も含め、複数人マネージメントする状況になりました。
海外も10カ国近い周り、コロナ以前は年間2,3ヶ月は海外出張する生活になりました。
その後、関西より西の地方都市で数年勤務して、その後関西に転勤しました。
その間プラベートでも、別の場所でも触れる通り、子供も3人産まれました。
…その間転職したいと思わなかったというと嘘になりますが子供が良い抑止力になり、安易な転職はせず今の経理のポジションに至ります。
※経理へ異動した経緯についてはこちら
地方が子供の養育コストが低く、公的補助や育児支援施設、公園(当然駐車場も無料)も充実していたのはとても良かったです。
※出産時に、40万ほど出産一時金をもらえますが、あれから出産費用を病院に払ってもお釣りが来ました笑
通勤も徒歩や自転車で間に合うのため、東京の満員電車とは無縁で、いつかカムバックして戦いに行きたいと思いながらも、「東京生活には戻れないかも」と思います。。笑
若手が地方に飛び込む意味→チャンス大きい!
今の会社もそうですが、例えば転職の口コミサイト(Vorkersとか)を見ると、評価は良くないです。
当たってる面もあります。
その一方で、そういう辛い口コミ書いてる人は大概、
会社を辞めたい人(なぜならレビュー書かないと他の企業の口コミが見れない)です。
辞めたい理由は、転職失敗したか、なじめない、仕事ができないか、誰かも揉めたか、でしょうが、残ってる人や現状にある程度満足した人はそんなもの描くモチベーションはありません。
当然、どんな会社にも、良い人もいるし、仕事ができる人も、尊敬できる人もいます。
従って、それらの口コミ情報は参考情報としつつも、
しっかり面談の中で質疑応答をし、自分のニーズと彼らのニーズを書き出して整理しましょう。
企業の財務諸表があるならば読みましょう。
そして自分が望む経験ができるかを良く吟味しましょう。
完全に私見ですが、選考プロセスが早い会社は、欠員などでなんらかの問題が生じていることが推定されるため、募集理由や自分自身を欲しい理由などはしっかりと聞きましょう。
そして再三になりますが、自分と会社の間でミスマッチがないかは擦り合わせをしましょう。
企業と応募者の間の情報を互いに非対称です…よほどの大きい企業でなければ、相手の会社の情報は外からは分かりづらいです。
大きい企業でも、やっぱり中で得ている情報と、例えば新聞や週刊誌なとで書かれる情報には差異があります。
この企業と応募者のマッチングの都合上、特に転職サイトを活用した採用の場合は、企業と求職者の間のずれはゼロにはならないと思いますが(ダメな会社をダメな会社とエージェントが言うわけがない)、
求職者自身が目的意識をもって、譲れない部分と、譲れる部分を整理した上で意思決定するよりほかないかなと思います。
中小や小さい外資企業などは尚更慎重に精査を行いましょう。
応募者側は基本的には、経歴は多少 “盛 って”って企業に対峙すると思います(自分が仕事できません、といって応募する人はいないはずです)。
企業側はSPIなどの適性検査をさせたり、場合によっては健康診断させたりします。できることはそれぐらいかと思われますが、中小企業・地方企業では、採用プロセスが簡素化されていて、それらのスクリーニングすらない場合が多い気がします(求人 や実際の転職活動経験から)。
採用した企業側は、成功報酬として、年収の何割かを成功報酬として受領します。従って選考を急いでミスマッチで人材を採用した企業も、少なくない投資をしているわけですから(相当の利益を稼ぐのも大変です)、本来、意思決定に慎重になるべきですが、採用インフラがそれほど整わず人材不足に嘆く企業は、人材採用投資の失敗リスクに多少目をつぶってでも採用に急ぐケースがあります。
※私は実務部隊として、中途で入ってくる方を何人もみてきていますが、しっかり自己分析をできず、企業分析もできず、覚悟もないまま入ってきて去っていくのをずっと見てきました。同時にそういった求職者をスクリーニングできない自社の人事部の姿も。。そういった不幸なミスマッチ(もっとも転職エージェントとしてはこのミスマッチを利用して顧客を回転させれば稼げるのですがね・・)は最小になる努力を企業側も求職者側もするべきです。
完全に私見ですが、地方に転職してくる40代以上は本当に持たないというか、ミスマッチ感が(当社の場合は)本当に強かったなと思います。
企業側も期待値が大きい中、期待先行で役職と給料がインフレし、一方でプロパーとのギャップが生まれやすく苦しんで結果を出せず去っていく姿を何人もみてきました。「前職なら・・」とか言い出して総スカン食らったり。僕の感覚だと、ある程度社会人として完成された30代後半や40台以上は覚悟を持っていくべきだと思います。
その意味である意味、第二新卒位の若手が地方に飛び込むのは良い判断と思います。
地方なので当然ローカル色はあります。確かに最初は入って行くのは難しいんですよ(笑)。
でも若手は、企業側の期待値もそこそこに抑えられて飛び込めるので、知らないことは簡単に聞けますし、なんなら後輩の立場で参入するので何か失敗しても「てへぺろ」で許してもらえる余地も大きいです(年と役職が上がるほど持ち時間が少ない)。
受け入れられれば仲間になります。東京の会社への転職と地方の会社への転職を経験していますが、暖かさは地方の会社のほうがありました(私のケースですがね)。
また今後の自分のキャリアにとって重要だったと思う経験は、あえてブルーカラー/ホワイトカラーと二分して考えるならば、ブルカラーの人々の働きぶりを真近でみて一緒に働いてきたことです。厭世的にタバコをふかしながら喫煙所でぼやきつつも、仕事になるとテキパキと作業する姿。
海外の工場ならば、こちらも喫煙所で、タバコをふかしながらスマホゲームに勤しみつつ、仕事になると勤勉に問題解決にあたる姿。そんな彼らと同じ空気を吸い、話を直に伺い、同じ飯を食い、一緒にため息をつき、顧客の悪口を言って(笑)、業務の目標に一緒に向かった経験は、今後自分の仕事の糧になってくると思います。
仕事をする際に色々な立場の人たちとの個人的な紐帯(つながり)って大事ですよね。
会社はホワイトカラーもブルカラーの人も一体になって事業を行っていく中で、ホワイトカラーの人が机上でどんなに崇高な企画を書いたところで現場に落とし込みができなければ、無に帰してしまうリスクがあると思うのです。
組織の細部まで考えて企画を落とし込む・動員する、そんな仕事につなげていければと思うところです。
キャリアは相対的なもの
繰り返しになりますが、日本の地方でも世界と伍している企業はたくさんあります。
全部をひとくくりにして語るのは乱暴ですが、そういったところに士気の高い若手が入り込んで、
海外出張や海外駐在、マネジメントや投資判断などに関わることができればとても良いことと思います。
認められるまでは大変ですが、一度認めてもらえると、人材の層が薄い分、上にあげてもらえる可能性がより大きいのではと思います。完全に私見ですが。
都会で働くことだけがキャリアではないです。
地方で東京以上に稼いで、生活コストを下げて、購買力を高めることは不可能ではないはずと思っています。
もっともこういった財政面のみならず、家族等の環境も含めて幸福度を高めて働くことは可能だと思っています。
そして地方で力をつけて再度、東京とか大阪等の大都会で切磋琢磨することだって可能なはずです(最終的に断っていますが、実際に都会の会社の先行も当然進んでいきました)。
私が2社目の会社を解雇された際、一緒に解雇された優秀な同僚がいましたが、彼もその後、地の有名な食品企業に転職され、その後世界を飛び回り、たくさんの部下を持ち、日本の誇りとなるような仕事をしています。
月並みですが、キャリアにおいて、誰かと変に比べようとせず、自分自身と向き合って、自分と家族の幸福を高め、もちろん自分の仕事人としての力を伸ばすことができるキャリアを構築する、こういった相対的な自己肯定感覚が大切かなと思います。
もし地方の会社にご自身が興味を持ってもらったのならば、真剣に検討してみることをお勧めします。日本を色々な角度から考える契機になるとも思います。
※地方キャリア論を自分なりに語っていますが、転職は自己責任ですので慎重に検討することが必要ですのであしからず。
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