本社(親会社)と子会社等という関係がある場合、双方には連結会計というトピックがある。
私は2つの会社で、子会社→親会社とレポートをする、
または傍から補助する立場にいたのだが、
その所感を備忘も込めて記したい。
親会社は連結財務諸表(BS,PL etc)を作成する必要があるので、子会社は必要な情報を本社に提出する(個別財務諸表+αの場合も)。
一定規模の会社の場合、
連結のパッケージのシステムを持っているので、そのシステムへの入力を子会社は要求される。
IFRS基準の上場企業の子会社に続けているが、
この作業が割と細かく、スケジュール管理も結構大変だった印象。
月次決算よりも四半期決算が報告事項が多く大変だった。
規模が大きい親会社の連結会計の経理の苦難は、
子会社が増えるほど、管理対象が増え、国籍が変われば時差や通貨等から管理する難易度が高まる点と推測。
実際、ちゃんと入力しない拠点もあるので管理が大変そうだった。
さらに親会社がグループ間の内部シナジーなどを志向すると、
グループ間取引も発生してくるので内部取引の消去、内部で債権債務の認識相違(違算)などの論点も生じ、これも結構大変である。
子会社毎に入力のくせや意図があり、また言語の違いも加われる、中々違算が解消されず、経営層に報告され、怒られることも。
システムをルール通り入力させるために、監視する側の親会社の人員も手を相当取られるであり、トピックや勘定毎に多数の担当者が設定され対応していた。
事業の変化が大きく、また買収などで子会社が増加する企業はシステム変更も追いつかず、結局は人海戦術的にフォローして、決算書を作っていくことになる。決算期は土日も出られて対応されていた。
誰かのブログで見たことがあるが、会社がこのように拡大思考だと内部の会計の整備も追いつかず、結果人海戦術になり、通年採用をしている状態になっていくと思われる。
経営目線で見た時に、買収で会社の規模を拡大するのは良いが、その際これらの管理コストをどう見るか。
スケールメリットを効かせ、規模の経済を実現するために、買収するとしても、統合のために固定費が高くなるケースもあるのではないだろうか。
会社規模を大きくしたとしても、管理コストが最小になる投資・買収形態はないか。持ち分法程度の方が良いのではないか等。
ある商社からメーカに来た役員と話していたら「商社では管理対象の会社を増やすより、減らしたり、少なくするほうが褒められた」といっていた。
奥にあるニュアンスは色々あるだろうが、察するに会社を増やして管理する対象を増やすコストもバカにならず、会社の統治形態は深いトピックであると思われる。
USCPAの知識はこの点にあまり生きている気はしない。
USCPAよりも簿記2級の論点の方が役に立つかも。
ちなみに、このような視点を獲得した理由は、今まで経験した経理のポジションが、
国内であれば、海外であれ、
事業規模が、ちょうどよい小ぶりなサイズであり、手を挙げれば何でも経験できる立場であったこそ感じた点かなと。
いきなり大企業で経理をやり、セグメント化された仕事をやるよりも、俯瞰的に色々経験できる現職での中堅企業や規模での経理経験はとても良かったと思っています。
仕事的には、連結経理は、前工程か後工程でいえば、後工程で、子会社より親会社の方が、尻カッチンの部分もあり大変そう。
自分の性分としては、前工程で、幅広く経験でき、外国語も使える海外の子会社経理の方が合っているなとつくづく感じます。
また気づきがあれば追記します。
お読みいただきありがとうございました。
参考:以下のHPは非常に参考になった。もともと会計の仕事について”財務会計”と”管理会計”と二つをざっくり分けながら上記のようなことを考えていたが、以下のHPの著者は4つの階層に分けられて語られていて、各セグメントの機能と付加価値を解説されている。非常に的を射ているように思われます。
https://keiriya.net/
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